作業服というコスプレ
2013.10.18

意思表示としての作業服が興味深かった、という話。

先日の伊豆大島の土砂崩れを受けて、東京都の
猪瀬知事が現地を視察したというニュースがあった。

自然災害でエライ人が視察するときの定番として、
猪瀬知事の服装は作業服(防災服とよぶべきかもしれない)だった。
帽子もかぶっていた。

今回に限ったことではないけど、これを見てなんだかおかしかった。
こうした作業服は、動きやすいように、作業で汚れてもいいように
デザインされている。指揮系統の最上流にいる知事なら当然、
現場で作業(力仕事)はしない。

また、視察する場所は安全が確保されているわけで、
服は汚れないだろう。せいぜい足下が悪いかもしれない程度。
それも配慮されて、ドロドロのぬかるみを歩いたり、
すべりやすいところは行かないだろう。

つまり、エライ人の災害現場の視察に作業服は必要ない。
対策会議などであればもっと必要ない。
(不測の事態が起きる可能性はあるけど)

視察の映像を見て、この服装は一種のパフォーマンスであり
コスプレなんだろうなと感じた。通常時のスーツとは違う
作業服を着てカメラの前に立つことで、
「がんばってますよ」「災害を気にかけてますよ」とアピールする
ねらいがあるんじゃないか。

もうひとつ、最前線で作業にあたる人たちと近い服装をすることで、
「(トップと現場の)精神的な距離の近さ」を(内部に)アピールする
ねらいもあるかもしれない。士気を高めるというか。


これは冠婚葬祭と同じかもしれない。
こうした場では、服装が基本的に決まっている場合が多い。

たとえば葬式なら黒か濃紺の服装で、男なら黒いネクタイをすることに
なっている。死者を悼む気持ちと服装にはまったく関連はないが、
そうした服装をすることで周囲に「私も悲しいですよ」とアピールできる。
気持ちが人一倍強くても、服装が違うと非常識といわれて
全否定されかねないおかしさがある。
逆にいえば、外見さえ合っていれば、気持ちはどうあれ合格になってしまう。


災害時に大臣や知事が作業服を着るのは、
ある種の変身なんだろうね。災害対応モードへの変身。
「今の私の最優先事項は災害復旧です」と外見で見せる。
ちょっと不謹慎かもしれないけど、変身ヒーローものとして見ると
おもしろいかもしれない。作業服に色のバリエーションがあってもいい。
(反省の意思をしめすために坊主になったりヒゲをそったりするのも
同じかもしれない。そのように変身してみせることに意味があり、
行為そのものに意味はない)


ちなみに、オバマ大統領がハリケーンや竜巻の被害を視察するときは
普通にスーツ姿が多いみたいだ。スーツの上着は脱いで、
ワイシャツにネクタイだけだったり、ジャンパーみたいなのを着ている。
作業服的なものは着ないみたいだ。
現場の状況によるけど、日本人もこれでいいと思う。
大事なのは服装ではなくて、どんな手を打つかだから。


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