無職だからってゲームとネットばかりではありません 「孤立無業(SNEP)」
2013.08.22

「孤立無業(SNEP)」という本を読んだ。
未婚で、無職で、他人とのコミュニケーションが限定的な人が
162万人もいますよ、という報告・問題提起の本だ。
ゲーム利用についての意外な調査結果もあった。

孤立無業を英語表記したときの頭文字を並べたものが
SNEP(スネップ)。また、この本では職に就いていないことを
無職ではなく無業と表現している。

スネップの定義は以下のもの。
・20~59歳の人
・未婚
・仕事をしていない(学生はのぞく)
・日常的に、ひとりでいる。または家族としか交流がない

無職であるだけでなく、友人・知人との交流がなく
社会的に孤立している状況にあるのがスネップの最大の特徴と
考えていいみたいだ。
そんなスネップが、2011年の時点で162万3千人いるという。

ちなみに、「フリーター」は厚生労働省の定義によると
「15~34歳の男性または未婚の女性で(学生をのぞく)、
パート・アルバイトで働く者、またはこれを希望する者」で、
2011年の時点で176万人いるそうだ。
フリーターと同じくらいスネップが存在することになる。

スネップの人たちの実態に迫るため、総務省が行った
「社会生活基本調査」や、ネット上で実施された調査データを
筆者が独自に分析したのが本書だ。

日本が抱えている問題のひとつを見える形で提示していて、
この分野に関心がある人には参考になると思う。
スネップの人たちは、甘え・なまけ・自己責任などの言葉で
安易に処理できない環境に置かれていることが読み取れます。

著者はあくまでも研究者で、分析と問題提起をしているだけなので
直接の問題解決はまた別の話になる。
スネップ本人とその家族にむけた部分もあるが、
第1歩をふみだすきっかけになるかも、という程度だ。


今回これを紹介したのは、スネップの人たちは
どんな生活を送っているのかという調査のなかで
ゲームやネットの使用状況についての結果があったから。

無職で、他人との交流もない(または限定的)となると、
「ゲームやネットにハマッている」というのがマスコミなどによって
つくられたイメージかもしれない。
「薄暗い部屋でゲームとネット」というのがよくある演出だ。

しかし調査によると、スネップの人たちの6割近くは
PCやケータイによるメールのやりとりやネット上での情報収集を
しないそうだ。ネット利用についてのデータは2006年のものなので
やや古いが、ネットが身近でない人が少なくない。

そしてゲーム利用について。これは2011年のデータで、
据置型・携帯型・PC用のゲームの利用ついて聞いている。
その結果、約半数のスネップの人たちはゲームにふれていない。
「ハマッている」といえそうな、「週4日以上」ふれていると
答えたのは15%程度しかいなかった。

あまりネットを使わず、ゲームもしない。
スネップの実態は、一般的なイメージとは違うようだ。
ゲームやネットをガンガン使っている人もいるだろうけど、
それは多数派ではない。

なぜゲームにふれていないのか。
本のなかでは突っ込んだ調査はされていない。
そもそも関心がない、または経済的都合が大きな理由だろうけど、
精神的な問題もあるかもしれない。

日常的に他人との交流がなく、経済的にもゆとりがない。
将来の不安も出てくる。そんな状況なら、うつ状態になってもおかしくない。
ゲームを楽しむという心境になれない人も少なくないのではないか。
(趣味や娯楽を楽しめなくなるのが、うつの典型的症状のひとつだ)

ゲームやネットをしないなら、なにをして毎日をすごしているのか。
そのあたりの調査結果もこの本に載っています。

「孤立無業(SNEP)」 著・玄田有史 日本経済新聞出版社
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孤立無業(SNEP)


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