鏡で自制心を高める
2013.08.01

「意思力の科学」という本にちょっと興味深い話があった。
この本はだいぶ前に買って、まだ読んでいる途中。
その一部をご紹介。

p148~149の記載によると、鏡をおいて自分の姿が
見える状態にすると、周囲から受ける誘惑や強制に打ち勝つ
可能性が高くなるのだそうだ。

これを裏付けるいくつかの実験の様子が書かれている。
鏡があることで作業への集中度が増したり、他人の影響によって
自分の考えを曲げてしまうことが少なくなったそうだ。
周囲の影響を受けず、自分の意見・価値観をつらぬくことができた。

また、子どもへの実験もある。ハロウィンに合わせて行った実験。
「となりの部屋にお菓子を用意したから、ひとつだけ取っていい」と
話す。部屋には複数のお菓子が用意され、監視はない。
鏡がない状況だと、複数のお菓子を取る子どもが多かった。
鏡があって自分の姿が見えると、いわれた通りひとつだけ取る子どもが
多かった。仮装している状況でも、正しい行いをとらせた。

本屋などで、壁に鏡が設置されていることがあるけど、
あれは上記の実験により確認された自制心を高める効果を
ねらってのことなんだと思う。つまり万引き防止。

長期的な行動が必要な目標がある場合も、鏡を置くことで
くじけたり、なまけたりすることが減らせるかもしれない。
たとえばダイエットとか。体型を確認する意味ではなく、
暴飲暴食を思いとどまれるかもしれない。

有料アプリのダウンロードをやりすぎてしまうのも防げるかも。


この鏡の実験の話はおもしろかった。
ここで話を終えてもいいくらいだけど、紹介したのは、
ネット上の言葉による攻撃(いわゆる炎上や、無意味な
派閥争いみたいなもの)を減らす効果もあるんじゃないかと感じたから。

ネットは広いので、こうした騒ぎが起きるのは一部ではあるけど、
建設的な異論・反論ではなく、攻撃や皮肉が飛び交うことは
めずらしくない。まともな話題よりも、こうした騒ぎのほうが
注目を集めやすいので始末が悪い。

なかには意図的に戦略として騒ぎを起こしたり
火に油を注ぐような言動をする個人や組織もあるらしい。
しかし大半は、瞬間的な気持ちの盛り上がりで書いているだろう。

リアルでは発言できそうもないこうした言動は、
ネットの匿名性が原因とされることが多いと思うけど、
実際には匿名であることはまずない。
プロバイダによって通信が記録されている。

にもかかわらず暴言や犯罪予告が飛び出すのは、
「鏡」に相当するものがないためだろう。
鏡がないと、子どもはお菓子をいくつもとった。

実現の可能性は低いけど、ブラウザを使うとき、
あるいはSNSや掲示板などに書きこみをするとき、
カメラで映した自分の様子を画面のすみに表示できたら
妙な言動は減るかもしれない。
攻撃を受けた場合、売り言葉に買い言葉で反応して
みずから騒ぎを大きくすることも避けられるかもしれない。

ノートPCやスマホにはたいていカメラがついているし、
Webカメラ単品もそう高いものではないので、やろうと思えばできる。

ただし、効果があったとしても、それは一時的なものになりそう。
人間は環境に慣れてしまうから。鏡があろうとなかろうと、
もとの行動に戻るかもしれない。

そもそも、文字によるコミュニケーションは難しい。
そのつもりはなくても、攻撃や皮肉と解釈されてしまう可能性はある。

ちょっとした工夫で、ネットをウロウロするときに
品性をたもてるかもしれない、という話でした。

WILLPOWER 意志力の科学
WILLPOWER 意志力の科学


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